2011年6月30日木曜日

槙谷美貴子と中英語

槙谷美貴子です、こんにちは!今日もまた、槙谷美貴子が英語史の続きをお話させていただきます。よろしく尾根阿木します。

ノルマン・コンクエストの結果、イギリスの支配階級はほとんどノルマン系フランス語しか話さない人々によって占められることになり、フランス語が大量に流入したそうです。その結果上流階級の話すフランス系語彙と、中下層階級のゲルマン系語彙の二系統が混在する現在の英語ができ上がったんですね。例えば、mutton(食用の羊肉) - sheep(家畜の羊)、beef(食用の牛肉)- cow(酪農用の牛)など。つまり貴族は食べ、庶民がその肉を養うということだそうです。
この時期にフランス語から英語に入った語には pavilion、tennis、umpire、nasty、bribe、gentle などがあるみたいですね。そのときまでに英語には十分な語彙が存在していたため、新しく入ってきたフランス語は従来の英語の意味を変えたり、変えられたりして定着し、結果として英語の表現力は大きく向上したそうです。例えば、判決を下すの英語は元来 doom だったんですが、それはフランス語由来の judge にとって代わられ、doom は「最後の審判」という特殊な意味へと変化していったんですね。
しかし、ノルマン人は少数だったため、13世紀になると英語がイギリスの国語としての地位を確立し始め、百年戦争の敗退などを受けて14世紀には貴族でさえ英語を母語とするに至ったそうです。ですがこの間にフランス語から借用された語彙は一万語におよび、その75%が現在まで残っているのだとか。
長らく英語では話し言葉と書き言葉(ラテン語)が分離していたが、ルネサンスの運動がようやくイギリスにも伝わると、両者を一致させる動きが現れ、ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』などができ上がったみたいです。
古英語期にはアルフレッド大王の文教政策が功を奏し、ウェセックス方言によるテクストが多く残り、1つの「標準語」として認められていますが、中英語期には前述のような階級間でのかなり目立った言語格差が見られたり、フランス語からの影響を多大に受けていたことも手伝って、中英語は言語的にかなり過渡的で流動的なものだったといえるのだとか。したがって、古英語のように形態論、統語論を「中英語」という枠で一般的に記述することはきわめて難しいみたいですね。その場合には、チョーサーが用いた「東イングランド」方言に限定するなど、時代・地域の的を絞る必要があるそうです。それほど時代・方言によって違いの多い時期だったのだとか。

11世紀から15世紀にかけてのお話です。
少しずつ成長していっているみたいで、本当に調べるのが楽しいです(笑)この時代をもとにした映画なんか、見てみたくなりました(笑)
それでは今日はこの辺で。槙谷美貴子でした。

1 件のコメント:

  1. 匿名6/30/2011

    槙谷美貴子さん、こんにちは!私も今回の記事を読んでいて、この時代の映画なんか見てみたくなりました(笑)
    今まで英語とかは苦手だったんですが、英語史は面白いですね^^

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