2011年6月29日水曜日

英語史と槙谷美貴子

槙谷美貴子です。こんにちは。
今日は、英語の歴史、英語史について、槙谷美貴子がお話させていただきます。よろしくお願いします。
現在直接辿れる英語の最古の祖先は印欧祖語とされています。印欧祖語はかつて黒海沿岸に居住していた民族が使用していた言語であると推定されていてmそこから幾つもの言語集団がインドからイラン、ヨーロッパにかけて移動し、ヒンディー語、ペルシャ語や、ヨーロッパの諸言語として分かれていったと考えられているのだとか。このうち黒海からヨーロッパ北部へ分かれた言語がゲルマン祖語と想定されています。これをルーツとする言語集団をゲルマン語派と言い、その中に現在の英語、ドイツ語、オランダ語、北欧諸言語が含まれていたのだとか。
そのゲルマン族のうち、ドイツ西北部に移住した部族にアングル人・サクソン人・ジュート人がおり、しばらくそこに住んでいたがやがて4世紀頃にフン族の圧迫で西部に押し出され、ブリテン島に渡っていきます。

ブリテン諸島 には古くからブリトン族などのケルト人が住んでいましたが、 紀元43年、第4代ローマ皇帝クラウディウスの征服により、現在のイングランドとウェールズに当たる地方がローマ帝国に組み込まれました(ブリタンニア属州)。しかし、帝国が衰退するにつれ、ローマ軍は大陸へ撤退せざるを得なくなり、その空白を縫ってゲルマン人の部族であるアングル人・サクソン人・ジュート人が5世紀頃ブリテン島に侵出し、ケルト系住民を西北に押しやって定住したのだとか。
彼らは七つの王国を樹立し(七王国時代)、あい争っていたが9世紀に統一され、この王朝のもとで古期英語が隆盛したそうです。アングル族(ドイツ北部アンゲルン半島出身)・サクソン族(ドイツ低地ザクセン州出身)の言語が英語のベースとなっているため、英語の最も基礎的な語彙、文法はゲルマン語に基づくみたいですね。例えば、folk、mind、ghost、shape、with などがそうみたいです。
また、大陸からキリスト教典などのラテン語文献も翻訳し、およそ450語のラテン語彙が流入し、ましたが、これらは主に宗教、学術用語であったそうです。これは現在もほぼ同じ形で使用されていますね。例えば、angel、candle、organ、Antichrist、prophet、disciple などだそうです。
8世紀頃からデーン人(バイキング)の侵略が激しくなり、王国は崩壊し、11世紀始めにはイングランドはデンマーク王クヌートの支配下に入ります。この長い混乱の過程で古ノルド語の語彙が英語に入ってきたのだそうです。古ノルド語も英語と同じくゲルマン語であるため、英語は古ノルド語から数千もの日常語彙を借用したのだとか。これはawkward、band、bank、weak、die、grasp などがそうみたいです。また、三人称複数を表す they、their、them も古ノルド語からの借用みたいですね。
古英語の時代は、古ノルド語などの影響もあったものの、外来語をそのまま借用することは後述する中英語や近代英語時代と比べて少なく、heofon-cyning(天の王→神)や mere-hengest(海の馬→船)という風に、単語と単語を合成させる複合語(ケニング kenning)を造り出していたそうです。しかし、これらのほとんどは中英語期以降にフランス語やラテン語からの借用語に取って代わられ、現代英語ではほとんどが廃語になっているのだとか。
王の死後、アングロ・サクソン人の支配は復活するが、その支配力は弱く、内乱が相次いだため、最終的には、フランス北部にいたノルマン人に占領されてしまいます。
まとめれば、5世紀から11世紀という中世前半に、アングロ・サクソン人のゲルマン語が母体となって、ラテン語・フランス語・古ノルド語の影響を受けて、英語ができ上がっていったんですね。English とは「アングル(Angle)族の言葉」、という意味なのだそうです。

英語史、まだまだあるんですが、今日はこの辺で。また機会がありましたら、ここでご紹介させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。槙谷美貴子でした。

1 件のコメント:

  1. 匿名6/29/2011

    英語の歴史、面白いですねー!
    こうしてみると、色んな言語が合わさっているんだってことがよく分かります。槙谷美貴子さん、また英語史の話、聞かせてください^^

    返信削除